いつか
2021年2月8日
コロナ感染が世界中で広がり始めて、1年以上が経ちました。世界の多くの国々で、感染は治まっていません。ロックダウンの国があります。
医療者としては、自身が細心の感染防止をして日常を暮らしています。診療するときに、感染に関して患者さんを護るように必死です。
でも、患者さんお一人お一人に相対すると、皆さん事情が違います。
お客さんが8時までになったレストランのかたは困っています。泊り客が居なくなった宿泊施設の方は仕事がお休みです。楽器を練習する場所がない芸術家のかたがいます。
ずっと家で仕事をするので運動不足の方が非常に多いです。出勤やむをえず時差通勤で5時台に家をでて睡眠不足の方が増えました。ネット環境を使えない高齢のかたは何日も人と喋らないようになりました。
どなたも、去年までと違う経済的な変化、働き方の変化、生活習慣の変化にやむを得ずに対応されています。
そして、唯一の楽しみだったこと事、友人とランチ。仲間と居酒屋で一杯やる。昼休み集まって愚痴を言う。孫に会う。年に1回だけの会社の、学校の集いなど。全てができなくなりましたと言われます。
心のどこかにいつも、感染しないようにしなくては、という不安があります。
でも、患者さんとお話しすると、多くの方はこの非日常を明るく前向きに過ごしていることに改めて気づきます。それが光です。感染症はいつか治まるときが来ます。
恩師日野原先生がいつも言っておられた言葉です。
「困難な状況にぶつかったときには、「待つ時間」をどのような姿勢で待つか、ということが問われるでしょう。私たちがくじけないで、折れないで「耐えている」ことです。未来への希望を持つから、それができるのです」