忘れられない患者さん

助けられて 忘れられない患者さん

助けられて

ひとり娘のKさんはご夫婦で91歳のお母様と実家に同居です。庭いじりや夜のおしゃべりが楽しみでした。近所には幼馴染や親戚。同級生がいる保育園が職場でした。そんな穏かな日々、お母様に物忘れがでました。同時に腸の病気で入院をして認知症が進みました。そのまま帰れず、コロナ禍になり、会えなくなり、1年もたたず…
どんなときも 健康診断・人間ドック

どんなときも

N子さんは都心の役所で福祉士の資格を活かしてバリバリ深夜まで働いていました。もともとお酒が強い家系。仕事も飲み会も男の人に引けを取りません。家族の料理も手を抜きません。ロールモデルのような働く女性です。定年を目前に、落ち込んだ時期も乗り越え、無事働き終えてほっとしていました。 そんなとき、肝臓と蛋白…
棄てる 忘れられない患者さん

棄てる

Tさんは富士さんの見える海も豊かな故郷に65歳までいました。山々を重い器械を担いで歩きます。山林に道路ができるとき、車の入らない山道を先に正確に測量するのです。20年間山林を歩き続けたTさんは、腰を傷めた脚の痛み以外は、若々しくお元気でした。 奥様を50代で亡くしていたので、3年前に息子さんに呼ばれ…
娘の人形焼き 忘れられない患者さん

娘の人形焼き

Kさんのお母さまが急に亡くなったのは3年前の秋でした。お母様は同じ敷地に住まれていてお孫さんをよくみてくれていました。それは、6歳と5歳のお子さんを遺して当時30歳代で奥様が亡くなっていたからでした。 IT系の技術者のKさんは20代から24時間ポケベルを持つほど多忙でした。奥様に先立たれた40代から…
歌ってる 忘れられない患者さん

歌ってる

TV局で専門職で働く40代のOさんは、朝の出勤に1時間歩いていました。スクワット腹筋ローラーもします。朝食は紅茶にオイルを入れるだけ。この努力にはもうひとつの楽しい目標がありました。憧れの職業でばりばり働くOさんは、実はアマチュアで定期的にライブをする歌手だったのです。女性らしい魅力いっぱいの明るい…
江戸っ子は 忘れられない患者さん

江戸っ子は

銀座のシンボルデパートの隣ビルのオフィスに、Sさんは何十年お勤めです。自宅はそこから徒歩25分。都会の真ん中にお住まいのSさんは、笑顔を絶やさない60歳です。 当院にいらしたときは、生活習慣病のために厳しい制限をして8㎏やせた後、すぐに体重が戻ってしまい、病状も思わしくない状態でした。「ダイエットは…
冬休みに 忘れられない患者さん

冬休みに

40代のKさんは、溌溂として笑顔いっぱいで「ちょー忙しいんです」とおっしゃる男前の女性です。 高校大学と外国で勉強されたので、日本食を外国に輸出する最前線にいます。会社を出るのが10PM。食事は不規則で15分で食べる。睡眠4時間とか。それでも「仕事が楽しいです」といつもおっしゃいます。 そんななかで…
楽しんで 忘れられない患者さん

楽しんで

Sさんはグローバル企業の日本本社で重職にあります。定期的に北海道から沖縄と回ります。海外出張もあります。食事の制限はしていませんでした。気が付いたら100㎏超えていました。 コロナ禍になりました。すべて在宅ワークです。web会議は全世界で 時差のため9-10PMから深夜です。週2ー3回。海外出張は無…
お父さんのお弁当 忘れられない患者さん

お父さんのお弁当

それは夏のことでした。40歳代のYさんの奥様が、わずか1年余りの闘病で稀な癌で去られて、高校生と小学生の3人のお子さんが遺されました。 Yさんは体重100㎏以上でラグビーをする100年続く会社の役員です。順風だった40代で突然訪れた困難でした。 夜1時に子供たちを寝かせて布団に入っても眠れません。朝…
無理はしてない 忘れられない患者さん

無理はしてない

2年前の秋。コロナの波が少し落ち着きgo to travelやeatがあり、ひとときほっとした頃でした。 健診でコレステロールが高くなってと、Kさんが受診されました。 コレステロール値はすでに薬を飲む適応でしたが、初診時から「薬はちょっと(飲まない)。自分で努力します」質問を沢山され熱心でした。 K…