早春の文旦

文旦は、ブンタン、ボンタンともザボンとも呼びます。
育った町では、厚めの皮を砂糖煮にした「ザボン漬け」がお店に並んでいました。ですのに
正直、大人になるまであまり果実を口にしたことがありませんでした。

なぜでしょうか。生産量が少ないのです。九州四国だけで作られ、旬の時期だけ。
よく似た有名な外国産グレープフルーツは、文旦がフロリダに届いて産まれたそうです。
外の皮を手で剥くと、薄皮も甘い。果実は大粒でみずみずしく自然な甘酸っさ。とても優しい。

半分戴くと一日分のビタミンCが摂れるそうです。食物繊維やカリウムも多いです。

文旦でできた100年前からある「ボンタンアメ」を亡き母と食べた幼い日が、甦ります。