変わられるもの
2020年の春から、私たちの生活は変ってしまいました。
Y子さんは、外資系のマーケテイングリサーチ会社の広報の仕事。多忙なときは週5通勤もありましたが、多かった海外への出張も全くなく、ほぼテレワークでずっと家にいるようになりました。
50歳代にみえない若々しく、仕事をバリバリこなすY子さんが、銀座四丁目診療所に通院しておられるのは、軽度の肥満で軽度に生活習慣病があるためです。
次第に、Y子さんは昼休みも仕事のために動かない、なるべく外に出ないようにして、買い物にも行かない生活になっていました。長年続けている習い事も中止になりました。
太らないようにずっと気を付けていたY子さんは、夜のアイスを減らし、 おなかがすいたら茹で卵とトマトにして間食はしないなど。何よりも、習い事が無いのに自分で体操と、毎日5000歩目標に夜歩くなど、努力をされていました。
それですのに、テレワークと自粛が続く毎日で、昨年暮れには3㎏体重が増えていました。
そのうちに、夕方になると動悸がして血圧が上がってほてったり。食事を作るので変形性関節炎の症状指のこわばりが出てきたり。胃腸炎が長引いたり。不調になってきました。
ところが、今年の6月には、半年間で4㎏減量していました。更年期、外出自粛、運動もできない日がある、仕事のストレス、過労などの状況で、少しずつ減量が成功したのは何があったのでしょうか。
「お菓子をつまんでいたんです。いつも、常に。家で仕事をしているときに。やめられなくなっていたんです」
「それをやめたんです。徐々に。午後だけ少しに。夕食後は半分、夜アイスだけにって」
「スマホのアプリに自分の身体の数字や食事を入れてたのを、今までは別に気にしなかったけど、目で見て、健康になろう、って意識するようになって」
私たちは今、自分では変えられない渦のただ中に居ます。
自分の健康に気づいて、習慣を変えることは、劇的な変化でないこのような変化こそが、Y子さんの努力の賜物であったと感じています。
写真は診療所の待合室窓から見えるオリンピックの5色のマークです。