冬休みに

40代のKさんは、溌溂として笑顔いっぱいで「ちょー忙しいんです」とおっしゃる男前の女性です。

高校大学と外国で勉強されたので、日本食を外国に輸出する最前線にいます。
会社を出るのが10PM。食事は不規則で15分で食べる。睡眠4時間とか。それでも「仕事が楽しいです」といつもおっしゃいます。

そんななかで生活習慣病を指摘されて通院中のKさんに、エコー検査で良性ですが腫瘍がみつかりました。
Kさんはご紹介する大病院でなく自宅近くの病院を希望されます。コロナ禍に入り、Kさんの希望と病院の事情で手術が数か月以上先になりました。
腫瘍を大きくさせない薬で副作用が出ました。貧血も進んできます。私は手術を早めるか、別の病院を勧めました。
「12月に手術したいので。家の近くの病院がいいので」意志は変わりません。

手術まで生活習慣病を改善させ腫瘍の内服治療をすることになりました。

Kさんは、歩き始めました。車に乗らず自転車か歩きです。在宅勤務の日も一日1万歩。出勤の日はPCを持って公園で仕事したり。暑い頃は2ー3回に分けて。雨の日はビルの階段を歩きました。
「音楽聞きながら。時間を見つけて。歩くのが苦じゃなくなります」

食事は朝はお味噌汁とご飯。昼は忙しくても普通に。夕食は野菜中心でみそ汁。週末に野菜をいっぱい茹でておきます。

手術はクリスマスの前日に無事に終わりました。そして。
20か月で12㎏痩せました。体脂肪は10%減少。生活習慣病の値はすべて正常範囲になりました。

「10歳の息子が学校があるときに入院したくなかったので。冬休みにって約束したんです。家の近くだと離れないで安心だし」
一度も愚痴をおっしゃらず辛い治療を乗り越えられたのは、母の強さだったのでした。