江戸っ子は

銀座のシンボルデパートの隣ビルのオフィスに、Sさんは何十年お勤めです。自宅はそこから徒歩25分。都会の真ん中にお住まいのSさんは、笑顔を絶やさない60歳です。

当院にいらしたときは、生活習慣病のために厳しい制限をして8㎏やせた後、すぐに体重が戻ってしまい、病状も思わしくない状態でした。
「ダイエットはストレスです」

コロナ禍になりました。
ご自宅から往復50分歩く、を続けていたSさんが在宅勤務になりました。東京都が緊急事態を出すと毎日在宅勤務です。解除されたら週2-3出勤。また宣言が出ると在宅勤務。この繰り返し。在宅の時は外に出ません。

生活習慣病、と言いますが生活習慣がやむをえず変化しました。体重も減らず、病状がよくなりません。

そんな日々が1年以上続いた昨年の夏。
「1年半くらいビールを飲んでないのに気づいて」
「自炊になって、炭水化物を半分に。豆腐を代わりに。今まで満腹だったと分かって」

ご自分で工夫が始まりました。 
家では蒸留酒ハイボールお茶割500cc。好物の甘いものは、チョコを止めておからのクッキー、アイスクリームは夕食の最後に半分。

会食が多かった頃は長時間だからハイボール10杯、閉めの炭水化物もありました。出勤になっても、会食は控えました。少人数で1-2時間。

若い頃、野球や柔道をしていたSさんは、歩くのは苦になりません。毎日3-4km週末は5km歩き続けました。ジムに行く時間が無いので自宅で筋トレをします。

現在、1年で10㎏体重減少。体脂肪は8%減少。生活習慣病の数値は全て正常範囲になられ、お薬は3種類必要なくなりました。

「痩せていく皮膚がなじむ、お腹の内臓脂肪が減るのが分かる、自分が一番ね」
「ストレスはなかったね。ためない。江戸っ子だから」

このような努力を、ストレスはない、と笑顔のSさんは、40年以上これからも長生きされると信じています。