歌ってる

TV局で専門職で働く40代のOさんは、朝の出勤に1時間歩いていました。スクワット腹筋ローラーもします。朝食は紅茶にオイルを入れるだけ。
この努力にはもうひとつの楽しい目標がありました。憧れの職業でばりばり働くOさんは、実はアマチュアで定期的にライブをする歌手だったのです。女性らしい魅力いっぱいの明るいOさんをファンが待っていました。

そして、コロナ禍になり、ステージは無期限未定になりました。勤務も毎日在宅ワークになりました。

仕事のほうはコロナ禍で増えていました。朝10時から深夜まで。
「仕事三昧です。夜中に目が覚めて仕事のことを寝ながら考えて眠れなくて」
会社で高ストレス者になりました。

健診で血圧が高いと言われて通院していたのですが、一向に下がりません。月に一回はヘルペスが口唇にできます。

週末 以外は家から外出しません。3食自炊で食べても満腹にならない、お菓子を夕食後にスナック大袋の後にアイスやプリンを食べてしまいます。

コロナ禍が始まって1年の頃、専門職を買われて転職しました。環境になれないので更に仕事に没頭。週1は出社になりましたが、出勤した日は夜12時まで。それから「獏食い」します。
体重はコロナ前から9㎏太っていました。

昨年の晩秋、コロナ禍が少し落ち着いたとき、2年ぶりに故郷に帰りました。30歳代でご両親を相次いで亡くしていたので、実家は空き家で誰も居ません。それでもふるさとの味噌煮込み、紅葉、お墓参り。
「眠れるようになりました。残業しないようになりました」

お正月も繁忙期で深夜までの仕事、土日もメールで急ぎの仕事が入りますが、時間をぬって、毎日散歩を開始しました。
世の中が動き始めて、半年後のライブが決まったのです。

お菓子を止めて、するめやナッツに。昼はミルク紅茶とゆで卵。夕食は夕方5-6時にとり野菜中心。週1はステーキで。
去年の暮れから体重は9㎏減量、体脂肪は5%減少し、血圧は110代に。採血結果の数値は全て正常範囲になりました。

「毎日歌ってるんです。ステージが2年半ぶりにあるので」
環境が変わっていくなかで何事にも努力を忘れなかったOさんは、眩しく輝いていました。